■原題
QUACKERY で、インチキ治療
大衆向けの週刊誌っぽい日本語タイトルはあまり好きではないです
■目次
第1部 元素 水銀、アンチモン、ヒ素、金、ラジウムとラドン
第2部 植物と土 アヘン、ストリキニーネ、タバコ、コカイン、アルコール、土
第3部 器具 瀉血、ロボトミー、焼灼法、浣腸、水治療法、外科手術、麻酔
第4部 動物 ヒル、食人、動物の身体、セックス、断食
第5部 神秘的な力 電気、動物磁気、光、ラジオニクス、ローヤルタッチ
■水銀
16世紀、梅毒の治療法として水銀が使われていたとあります
「ヴィーナスとの一夜、水銀との一生」だそうです
子供の頃、温度計が割れて中から出てきた銀色の玉を指で転がして遊んだ記憶があります
ターミネーター2の液状化ロボットのようなものです
2つの物質をコロコロ転がして近づけると1つにまとまるのです
とても不思議でした
日本の梅毒患者数は増えていると聞きます
原因はSNSを通じての不特定多数との出会い、海外旅行者からの感染などがあるようです
治療法は水銀ではなく、抗生物質になります
■ヒ素
毒殺と治療薬の両方で使われていたようです
治療薬? なんで?と思ってしまうのですが、、、
症状としての嘔吐、下痢が、体の中から毒素を排出してくれると考えたようです
加えてヒ素を化粧品として使っていたらしいです
なんともはや、当時の医学のレベルは低すぎと言うか無茶苦茶でしょう
日本で思い出すのは「和歌山毒物カレー事件」です
ヒ素をカレーに混入させたとして死刑が確定しています
■アヘン
子供の夜泣きにアヘンチンキ、そりゃ泣き止むでしょう
アヘンからモルヒネ、そしてバイエル社からヘロインという商品が売り出されます
ヘロインって商品名だったのです! 知らなかった
あきれかえるような内容にちょっと引き気味です
■タバコ
普通に火を付けて煙を吸い込むことが体に良いという時代があったことに驚きは無いのですが
タバコで浣腸となると話は別です
しかも、溺れた人の蘇生法として専用の器具まであったいうからびっくりです
お尻に器具を突っ込んでタバコの煙を体の中に送り込むことで蘇生すると思ったらしい
なんだか幼稚園児のような発想です
ここまで来ると笑えない
■感想
今では信じられないようなことが日常的に行われていた時代です
病気(悪い物)を体から出すという考えから、催吐剤や瀉血や下剤が横行してました
ただでさえ病気で苦しんでいる中、更に苦しみを与えつつ亡くなったのだと思うと
医療行為というよりもいかがわしい宗教儀式、または人体実験としか思えないです
まだ1/3くらいしか読んでないのですが、、、
あまりにレベルが低すぎて少し嫌悪感もあります(^^;;;
とは言うものの
内容に違いはあれど、今もなお、それと似たようなことが行われているかもしれません
50年後、100年後に呆れられることが無いように
私たちが正しいと信じていることは、本当に正しいの?と疑ってみることも大切です
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